三菱製紙 統合報告書2024
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象に、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請が来ており、まさに次の中期経営計画において当社の成長戦略をどのようにステークホルダーやマーケットに訴求していくのかが問われています。でもこれは攻めの経営の話ですね(笑)大塚 滝沢さんは経営者でもいらっしゃいますから(笑)滝沢 グリーン社会への貢献やサステナビリティの向上は時代の要請でもありますが、一方でコストがかかる話でもあります。次の3か年も攻めと守りのバランスが大切になってくると思います。殿岡 個人的には風土改革をどのように進めていくかを注視していきます。一人ひとりの社員が楽しく働き、またお客さま、株主、社会といったステークホルダーを念頭におきながら、自由に意見を発信し、会社を活性化していくことができる、そういう三菱製紙になってほしいと思います。そのためのコンプライアンスやガバナンス強化に監査役として尽力してまいります。滝沢 当社の監査役会は執行サイドと良好なコミュニケーションが図れています。監査役会の議事録は全取締役にオープンにしています。監査役がいま何を問題としているのか、何を議論しているか、執行サイドにも分かるわけです。加えて、年4回代表取締役とのミーティングも行っており、我々監査役も代表取締役がいま何を考えているか、中長期テーマとか、まだ形になってないことを聞くことができます。 一方で我々が往査を通じて得た各現場の意見や情報を執行サイドと共有するなど、非常に良い距離感で情報交換ができています。これは執行サイドと監査役会の信頼関係が成り立っていないとできませんし、この状態を維持していきたいと思います。執行サイドが行き過ぎていると感じたら牽制していくのが我々の役目です。耳の痛いことも遠慮なく提言していきます。大塚 先ほどもお話ししましたが、皆さまとの対話からいただく情報を共有し、しっかり議論して監査役会が実効性ある提言を行っていけるよう引き続き努めてまいります。 なお、監査では過去の問題発見や、喫緊の課題を指摘するだけでなく、少し前を照らしてあげることも大切だと考えています。 例えば、インテグリティの認識向上については、企業文化醸成など、執行がどのように取り組んでいくか監査役として注視していきたいですが、ジェンダーギャップ指数などの世界ランキングがまだまだ低いことからも、既存概念でのマイナーチェンジでは不十分だと思います。三菱製紙には、相互尊重に基づく真に誠実な企業として、「人」という礎を盤石に発展していってほしいと思っています。その土台作りにあたり、監査役の立場から、一歩前を明るく照らしていけるといいなと考えています。81最後に監査役としての抱負やステークホルダーの方々へのメッセージをお願いします。

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