三菱製紙 統合報告書2024
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し、事業を発展させることを提案したいと考えます。灘原 いま渡邉先生から社員のやりがいという話が出ましたが、製造業や技術開発という視点で見たときのガバナンスとは何かを、もっと考えていく必要があるのではないでしょうか。技術力の三菱製紙と言われているのですから、技術者がのびのびと開発や製造に携われるコンプライアンスやガバナンス体制はどうあるべきかを重点的に見ていければ良いのではと考えています。 コンプライアンスという言葉からはどうしても杓子定規な規則一点張りのイメージがあります。そのなかにどれだけフレキシビリティを持たせることができるのか、そういう体制が作れないかと考えています。片岡 コンプライアンスはISO9001から来ているのですが、結局はリスクコントロールなんですね。ただ、ISO9001にはチャンスをどう活かしていくかも書かれてはいるんです。でもコンプライアンスとなると受け身に考えがちになります。私も研究開発には自動車のハンドルの遊びのような柔軟性が必要ということを常々申し上げています。研究開発は業績に資するものでないといけないという考えは間違いではありませんが、会社には研究者がやりたいことをできる余裕もなくてはいけません。研究者個人の関心をどう業績に結び付けていけるのかという視点は、今後の会社の成長には重要だと考えますね。灘原 社員一人ひとりが企業理念をもう一度しっかり噛みしめることが大事だと思います。世界の市場でお客さまのニーズに応え、常に技術の先端を行き、地球環境や循環型社会に貢献する。それを実践できてこそ社会的に評価され、利益もついてくるのだと思います。社外取締役としてそういった会社にできるよう貢献していきたいと思います。渡邉 今期は女性執行役員が誕生しました。社内から女性執行役員が生まれたことで、若手中堅の社員の意識に変化も生じると思いますし、ダイバーシティの観点から会社の運営、経営に変化がもたらされると考えています。ステークホルダーの皆さまには、期待をもって見守っていただきたいと思っています。灘原 いまの社会では会社というものをどんどんオープンにしていこうという風潮になってきています。社会的要求が多様化する中でステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションはとても大事です。社外取締役として注視していきたいですね。片岡 取締役会の実効性評価でもIR活動の深化の必要性が指摘されているとおり、IR活動についてはもう少し努力が必要だと感じています。まずはそういう機会を増やすことと、成果が上がったところをもっと強調して伝えていくように、社内で発言してまいりたいと思います。77最後に社外取締役としての抱負やステークホルダーの方々へのメッセージをお願いします。

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