三菱製紙 統合報告書2024
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片岡 ガバナンスの強化は、中期経営計画の基本方針のうちの「サステナビリティ向上のための組織改革」で取り上げています。その組織改革の第1項目がコーポレートガバナンスの強化です。 具体的には、中期経営計画の基本方針の「選択と集中」にも関係しますが、現執行部の体制になってから大きな組織の再編が実行に移されました。22年度には、長らく不採算部門であったドイツのフレンスブルク工場の事業譲渡を決定し、23年度に撤退を完了しました。また、21年度には、白河工場の事業の一部を王子ホーディングスのグループ会社に事業譲渡するとともに、23年度には残る耐熱プレスボード事業を高砂工場に移管して、生産拠点集約による収益向上とともに関連製品開発の加速を図っています。その他にも様々な組織再編を実行に移したほか、採算性とコア事業との関連性の低い資産の売却等を実行しています。 中期経営計画がこの新体制のもとで着実に実行に移され、その他組織再編・統合によるガバナンスの強化が図られています。渡邉 私は執行役員制度の見直しがあったことも今期の大きな改革だと思っています。従来の執行役員を執行役員と新たな役位である「ミッション・エグゼクティブ」に分ける新制度ができました。この新たなポジションに就く社員は、重要組織の副ポスト等を担い、特定の分野において役員として重要な役割を果たします。この制度の狙いは、執行役員として執行側の意思決定を担うメンバーを絞ることで、経営責任の明確化と意思決定のスピードアップを図るとともに、執行役員以外の人財を新たにミッション・エグゼクティブに任命することで、次の経営を担う執行役員以上の候補として早期育成を図ることにあります。まだ始まったばかりの制度ですが、どのような成果が表れるのか期待して見守っていきたいと思います。片岡 木坂社長の新体制のもとでこれまでにない規模の組織改革が急ピッチで行われています。この勢いでガバナンス改革が進めば、全社・グループ会社で統一的なガバナンス強化が図られると思います。当然ながら、全体的な収益改善にも大きく貢献するものと期待しています。渡邉 そうですね。今回の株主総会において、株主の方から「選択と集中をこれほど実現できた会社はない」とのお言葉をいただきました。社外取締役としても非常に嬉しく感じると同時に、大変心強い経営陣だと改めて思いましたね。片岡取締役のお話のとおり、収益も着実に上がってきていますし、今期の中期経営計画はもちろん、次の3か年に向けてさらなる成長が期待できると思います。社外取締役社外取締役社外取締役74社外取締役座談会中期経営計画を振り返り、ガバナンス体制の強化のためにどのような改革が行われてきましたか?片岡 義広 × 渡邉 敦子 × 灘原 壮一これらのガバナンス改革に対してどのような評価をお持ちですか?サステナブル社会に貢献する新時代の製紙グループとして、企業価値の向上と持続的な成長を確かなものとするために、さらなるガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。企業理念の浸透が強い組織をつくる

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