三菱製紙 統合報告書2024
31/88

安全な水を世界に不純物水処理膜の仕組み水処理膜基材(奥)と基材が組み込まれたエレメント(手前)コンデンサの分解図再生可能エネルギー分野の需要上昇水処理膜食品・飲料・医薬品分野への展開蓄電デバイス用セパレータのSEM画像水■■■■■■ 水に含まれる不純物や塩分を分離・除去する水処理膜は、不純物などの大きな分子やイオンを通さずに水分子のみを通すことができる水処理膜が使用されています。水処理膜はとても薄いために破れ易く、膜を裏側から支える水処理膜基材が必要となります。ポリエステル繊維の湿式不織布から構成される当社の水処理膜基材は、「均一性」を最大限に追求した商品で、水処理膜の性能を損なわずにエレメントを作ることができると、浄水/海水淡水化の分野で高い評価を受けています。 品質をより一層向上させた水処理膜基材や、医薬品・食品・飲料の製造加工で使用される耐薬品性に優れた水処理膜基材を商品化したほか、機能性不織布事業の拡大のために、気体分離やエネルギー製造などの分野で使用される分離膜に対応した特殊性を有する水処理膜基材を開発しています。■■■■■■■■■■■■ 電気二重層キャパシタは、風力発電、太陽光発電などの再生可能エネルギー分野やスマートグリッド、スマートメーターなどのインフラストラクチャの分野で需要が伸びており、より薄いセパレータが求められています。また、導電性高分子コンデンサは、スマートフォン、タブレットなどの小型電子機器や、電気自動車での使用量が伸びている導電性高分子コンデンサの高性能化に応えるために、高耐熱性のセパレータが必要とされています。 当社は、合成繊維とセルロース繊維を最適に組み合わせたNanoBase2ナノベース2という電気二重層キャパシタ用セパレータと、耐熱性の高いアラミド繊維を配合した導電性高分子コンデンサ用セパレータを既に商品化していますが、技術の進歩によって、蓄電デバイスの新たな用途が生み出されていく中で、多種多様な繊維を均一に配合する技術を駆使して、薄さを追求するとともに、耐熱性、均一性、強度などの品質をも更に向上させたセパレータの開発を進めています。31

元のページ  ../index.html#31

このブックを見る