執行役員 研究開発本部長相澤 和佳奈30■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 新中期経営計画では、機能商品のさらなる拡大が盛り込まれると予測していますので、研究開発本部もそこに尽力する予定です。成長製品である蓄電デバイスセパレータや水処理膜基材はいっそうの品質向上に挑戦し、トップシェアの獲得に貢献していきます。そのほか、加工作業者の健康面での安全に貢献し、かつ1000℃のバーナー試験にも耐えることができる耐熱ガラス不織布の用途開発にも継続して取り組んでいきます。 紙素材においては、当社の遺伝子である美しい印刷発色性を持つ紙とバリア機能とを併せ持つ容器包装材料が食品のパッケージなどに採用され始めています。今後も、お客さまの声に耳を傾けながら、製品の拡販と横展開を進めていきます。 三菱製紙の製品の強みは高い品質であり、当社の製品を選ばれるお客さまのニーズもそこにあります。絶え間ない品質の向上と安定的に生産する技術を確保することが製品シェアの拡大に不可欠です。事業部と工場と研究開発部門が三位一体になって、半期ごとに研究テーマの見直しを行い、お客さまの多様化するニーズにお応えできる製品を生み出す研究開発体制を構築してまいります。 また、これからは1社だけで何かをつくる時代ではないと認識しています。大学、研究機関や企業などの外部機関との新たな連携も模索していきます。セグメント別事業戦略研究開発絶え間ない品質向上と未来に向けた製品開発が私たちの使命です■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 中期経営計画の2年目は、機能商品と紙素材の2つの事業部が掲げる目標に沿って研究開発を進めた1年になりました。機能商品事業部では、蓄電デバイス用セパレータや水処理膜基材の品質を向上させてシェアを拡大すること、そして、用途の横展開にリソースを割いてきました。一方の紙素材事業部では、環境に配慮した容器包装材料として、「barricote®」と「barrisherpa®」の開発に力を入れるとともに、事業部から要望のあったパルプ素材の新しい用途開発にも注力してまいりました。 組織的な変化としましては、今年の7月よりKJ特殊紙株式会社が当社と合併し、新たに再スタートした富士工場の中に、富士工場の新製品開発を担う研究開発部門として富士開発室を新設しております。富士開発室と既存の研究開発部門との間で、積極的な情報交換やコラボレーションを行うことで、高いシナジー効果を発揮できると考えています。 また、研究開発職の採用活動にも力を入れ、新卒採用とキャリア採用で2割ほど人員を増やしました。様々な知識や経験をお持ちの方が加わったことで、研究の幅が広がっています。 中期経営計画の最終年度になる今期は、各工場の製品改良やシェア拡大に引き続き貢献していくとともに、次の中期経営計画に向けて10~20年先の三菱製紙を支える製品開発に今まで以上にリソースを振り分けています。新たなニーズを掴んでいくために、特許情報や技術情報の調査や、営業スタッフとも市場の情報交換を密にして、研究開発の質の向上とスピードアップに取り組んでまいります。
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