三菱製紙 統合報告書2024
13/88

品質軽視とコンプライアンス違反を続けてきた事実が判明した。• 本事案は、白河事業所で製造していた耐熱プレスボード事業において、品質検査データの改ざんを行い、お客さまにも改ざんしたデータにて製品を販売していたというもの。事業構造改革の一環として白河から高砂に製造を移管する中で不正が発覚した。• コンプライアンス上の問題発生は会社存続に直結しかねず、ルールを守ることが非常に重要である。長らく行ってきた業務・慣行であったとしても、ルール違反であれば是正が必要である。日々の業務を見直し、少しでもおかしいと思う点があれば、上司や同僚に相談、あるいは内部通報窓口を活用すること。• 当社グループは100年を超えて高品質の製品を社会に提供してきた伝統あるモノづくりの会社であり、直接製造に関わっている人もそうでない人も、自分の仕事にプロとしての健全な自信とプライドを持って取り組んで欲しい。• 今回の事案を機に、会社として一層の風土改革に取り組み、徹底的に品質に拘り、更なるコンプライアンス強化を目指す企業に生まれ変わることを皆で誓い合いたい。 「グリーン社会への貢献」につきましては、順調にCO₂排出量削減を進めてきましたが、2030年度の公約目標に向けては大型設備投資などさらに一段階踏み込んだ施策が必要です。次期中期経営計画において設備投資の検討をしてまいります。 「サステナビリティ向上のための組織変革」につきましては、ダイバーシティ&インクルージョン、働き方改革などの取り組みをいっそう進めるほか、統合報告書発行、YouTubeチャンネル「Green Webcast」による情報発信強化などの社外発信の強化等を行ってまいります。YouTubeチャンネルは若い株主の方々を中心に好評のようで、もっと様々な情報発信してほしいという声もいただいています。13Message from CEO■■■■■■■■■■■■ 徹底的なコストダウン、各種合理化施策の効果発現により、中期経営計画最終年度である今期営業利益は中期経営計画目標値75億円を上回る80億円を見込んでいます。 機能商品事業につきましては、中期経営計画の重点分野である機能性不織布関連事業の拡大、および需要拡大が見込まれるエレクトロニクス関連分野の拡販に注力してまいります。欧州の景気後退懸念による需要減少でドイツ事業の販売数量の落ち込みがありますが、ビーレフェルト1工場体制における事業構造改革を推進し収益の安定化を図ってまいります。 紙素材事業については、価格の維持、生産体制最適化と在庫水準適正化の取り組みを継続するほか、環境配慮型商品の拡大、為替動向に合わせた輸出販売拡大を進め、収益力向上に努めてまいります。 また、今中期計画期間中に強化を進めた研究開発力を基に、高成長・高収益な事業への集中投資を行い、事業ポートフォリオの転換を加速しています。機能商品事業の売上高拡大に加え、紙素材事業のコストダウン、選択と集中による競争力強化の取り組みを継続・発展させることで、増収増益を目指してまいります。■■■■■■■■■■■ 当社はいま大きく飛躍する時期を迎えています。2025年度より始まる新中期経営計画では、さらなる高い目標を設定し事業を展開していきます。そのために鍵を握っているのが研究開発力です。一般的に機能商品事業などのB to B製品は、開発、製品化を経て販売され、売り上げとなって現れるまで時間がかかります。それだけ中期経営計画を上回る最終年度営業利益に

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る